木陰に気軽に腰かけて、冷えたビールと定番の食事を楽しむ。ドイツのビアガーデンは、地元民、そして観光客たちにもこよなく愛される夏のアクティビティだ。
老若男女が集まるビアガーデンは、ドイツの夏の風物詩。

こちらはマックス・リーバーマンによって1884年に描かれたビアガーデンの様子。

長らく人々に愛されているビアガーデン誕生の歴史は、約200年前のバイエルン王国に遡る。
当時から、夏用のビール – メルツェンビアが作られていたが、その品質を保つためには、4℃から8℃で醸造し、低温で貯蔵する必要があった。
そのころはまだ冷蔵技術が発達していなかったため、醸造所はミュンヘンのイーザル川の近くに地下貯蔵室を設置。地中の低温に加えて氷も使い、ビールの長期冷蔵が実現した。
貯蔵室の地上には、より低温を保つための木陰ができるように、マロニエの木が植えられた。
そしてその木の下にベンチとテーブルが置かれ、ビールが提供されるようになったのがビアガーデンのはじまりというわけだ。

当時のビアガーデンでは、他のレストランとの競合を避けるため、プレッツェルなどのパンを除いて食事の提供は禁止されていたという。
今日でも、その伝統にのっとって、家から軽食を持ち寄る人々の姿もよく見られる。

多くの人を魅了してやまないビアガーデン。夏のドイツを訪れたなら、ぜったいに外せないスポットだ。