ぐちゃっとしたピンク色の上に目玉焼きがのっている。食欲をそそるかというとそうでもないが、味はなかなか。船乗りが食べていたというラップスカウス
ラップスカウス(Labskaus)は、ドイツ北部の船乗りが生み出した、見かけが実に美味しくなさそうなことで有名な料理だ。
今は昔、帆船で遠方まで出漁していた船乗り達は、当然、生の食材を持って出航することはできなかった。長期保存がきくものを船に載せた彼らは、いつの日かラップスカウスのレシピに行き着いたのだ。
材料はすべて長期保存食材。塩漬け肉、赤ビーツ漬、ニシンの塩漬け、キュウリの酢漬け、じゃがいも。
これらの材料を目の前にして日本人の頭に何か美味しいレシピが思い浮かぶだろうか。。。でも、そこはじゃがいも使いのプロ – ドイツ人、そして魚の美味しさも知る船乗り。決して見た目は美しくないけれど、食べてみると意外にも目から鱗が落ちそうにもなるほど美味なラップスカウス。
同じ北ドイツは北ドイツでもハンブルグ流、ブレーメン流、ブレーマーハーフェン流などなど、それぞれの地域によって微妙に作り方も異なる。
ここでは、日本の家庭でも簡単に作れるスタンダードレシピをご紹介!
材料(2人分)
じゃがいも400g (男爵などのホクホク系が良い)
塩
赤ビーツ400g(生の赤ビーツを使う時は、色素を出さないようにするため赤ビーツを皮のまま丸ごと茹でる。火が通ったら皮をむく。ビーツの甘酢漬けでも可)
ピクルス200g
ピクルスの漬け汁100ml
コーンビーフ200g−300g(お好みで)
こしょう
サラダ油
卵2個
ニシンの酢漬け(なければコハダやサバの酢漬けで代用)
1. じゃがいもの皮をむいて適当な大きさ(半分から四当分ぐらい)に切り、塩を加えた熱湯で柔らかくなるまで茹でる。
2. 400gのうち300gの赤ビーツとピクルスを好みの大きさにカットする。カットしたビーツとピクルスをボールに入れ、そこにコーンビーフとピクルスの漬け汁を加えよく混ぜる。
3. じゃがいもが茹で上がったら、熱湯を捨て、鍋の中でじゃがいもを潰してマッシュポテト状にする。じゃがいもをどのぐらい潰すかもお好みで。
4. そこに2を加え、弱火でゆっくりと混ぜ合わせる。塩・こしょうを加え、味を整える。さっぱり味が好みの場合、ここでピクルスの漬け汁をさらに加えてもよい。加えすぎるとミックスポテトピューレがゆるくなってしまうので注意しながら少しずつ加える。
5. 目玉焼きを作る。(半熟ぐらいにしても美味)
赤ビーツの残り100gをスライス状にカットする。
ミックスポテトピューレの上に目玉焼きをのせ、カット赤ビーツ、魚の酢漬け、ピクルスを横に添えて完成!!
その昔、船乗りたちもこうして大量のラップスカウスを一度に調理していたのだろうか。
いくら見た目は悪くても北ドイツ人が愛して止まない郷土料理。伝統料理にこだわった北ドイツのレストランでは、様々なバリエーションのラップスカウスが楽しめる。
ハンブルクの高級レストラン『OId Commercial Room』のラップスカウスはとても有名。ドイツのVIPたちがこぞって食べに行く。
そこでは缶詰のラップスカウスも売っている。
缶詰のラップスカウスは、一段と見た目的に不利。
まずはお家で試してみよう! 初心者でも意外と簡単に美味しく出来上がります!!