新潟県妙高市とツェルマットが姉妹都市となって早20年。日本人にとってスイスといえばココのこと。1年間に8万人の日本人が訪れるこの街の魅力に改めて迫る
1. 最先端のエコの街
牧歌的な雰囲気漂うツェルマットは、実は最先端のエコの街だ。排気ガスを吐き出すガソリン車の乗り入れが禁止されて随分と経つ。車で行けるのは、5キロ手前のテーシュ(Täsch)までで、そこからは電車で街へと移動する。街中を走る「車」は、電気タクシーに電気バス、馬車と自転車くらい。パトカーでさえも電気自動車だ。
ツェルマットの郊外では、トヨタのランドクルーザーがスノーモービルの車輪をつけて走っている。

ゴミ問題も最先端を行く。ゴミ収集車はもちろん電気自動車で、ゴミコンテナはバイオ・エタノール製だ。また、レストランから出る生ゴミからは、なんとバイオ・ガス発電を行っている。

2. 自然と調和した建物
ツェルマットには四角い無機質な大規模ホテルはない。大自然の風景に溶け込む自然で美しい外観のホテルが、絵本のように並んでいる。ツェルマットで最大の客室数を誇る5つ星ホテル「モン セルバン パレス(Mont Cervin Palace)」は、1857年創業だが、訪問客の期待を裏切らぬよう、常に丁寧に修繕が施されている。

訪れる人々のニーズに合わせた、こぢんまりとしたホテルも豊富にある。登山家、家族連れ、世界を巡る旅人、リラックスしたい人、自然と戯れたい人、それぞれにぴったりのホテルがあるのだ。そして、ツェルマットのイメージに反して、リーズナブルな価格のホテルもちゃんとある。


3. マッターホルンが見える
ツェルマットといえばマッターホルンである。世界中で最も絵になる山で、実際最も多く写真に撮られている。スイスのシンボルとも言えるこの山がツェルマットからよく見える。
ツェルマットの登山ガイドと英国人エドワード・ウィンパー(Edward Whymper)が初登頂を果たしたのは1865年のこと。
2015年、光の鎖でその登山の軌跡を灯し、150周年を祝った。
フォトジェニックな山、マッターホルン

さて、この魅力的な街ツェルマットを、日本人観光客は、街を歩き山を眺めるだけで満足しがちだが、実はここでは様々なアクティビティーが楽しめる。
標高が高いので常に雪があり、夏でも山の上の方では天然の雪でスキーができる。

エスキモーの家「イグルー」が立ち並ぶ村「イグルー村」。宿泊もできる。

絶景マウンテンバイク

マッターホルンを見ながらクライミング

冬のイメージが強いマッターホルンだが、夏も楽しみがいっぱいだ。