子供のころ誰もが一度は憧れた木の上の小屋。大人になって実現させる人が増えている。デザイン性と高級感を兼ね備えた大きくなった“こどもたち”の隠れ家
ドイツやスイス、オーストリアの田舎ではその昔、子どもたちが森の中で木の上に、板きれなどを使って小屋を建てた。それをドイツ語で「バウムハウス(Baumhaus)」と呼ぶ。

今では子どもが森で実際に造ることは珍しくなってしまったが、多くの大人が、森や木の側にいつまでもよりそって居たかった、あの頃の夢を覚えている。
そんな大人たちが今、自分の子供たちのために自宅の庭に小さなバウムハウスを造っている。それどころか、プロの建築家に依頼して、冒険心よりもむしろデザイン性と快適性たっぷりの隠れ家を建設している。
こんな素敵な内装に仕上がる!

建築家に依頼する理由として、バウムハウスの建築に適切な木かどうかの判断が素人には難しいという点も挙げられる。バウムハウスを建てる木は若すぎても古すぎてもいけない。また、幹は少なくとも15センチ以上の太さが必要だ。できれば樫や杉などの硬材がいい。
プロの建築家に依頼すると、最低でも10,000ユーロ(130万円)ほどかかるという。
大人たちによるバウムハウス建設ブーム。とは言っても、存在するのはまだドイツ全体でも数百基程度。たかがバウムハウス、されどバウムハウス。ドイツでは、バウムハウスでも、本物の家を建てられる場所にしか、法律上建築を認めていない。さすがは堅実なドイツのお話。条件を満たした上で念願のバウムハウスを造るのは意外と難しいらしい。その分、法規を順守して建てられた「秘密基地」は高い安全性を誇るものとなる。大人たちが残りの人生で果たしたい夢にバウムハウスを挙げるのもわかる気がする。
幹に埋め込まれている基礎はとても頑丈に出来ている

木の幹が、小屋の床か小屋の脇のプラットホームを貫く。そこを黒のバンドがしっかり支える。

しっかりとした鋼条が木の頂上まで張られる

木の上の小屋「バウムハウス」の素晴らしさは何だろう。そこでは普通のことが特別になること。例えばベッド。木の上で眠るのは、家のベッドと違ってとてつもなくワクワクする。
ベルリンの公園にあるバウムハウス。デザイナーズマンションのよう

中はこんなに快適。ベッドにキッチン、テレビもある

オーストリアのシュレムス(Schrems)には、バウムハウスホテルがある

あるドイツの建築家の野望。海辺の椰子の木にバウムハウス!

実現したならば、こんなモダンな内装になるんだとか

こちらはハノーバーに実存するバウムハウス。なんとも魅惑的で、すぐにでも入ってみたくなるでしょう?
