写真歴史博物館 企画写真展 「色彩の聖域 エルンスト・ハース ザ・クリエイション」

エルンスト・ハースは、1950年代にカラー写真の表現を切り拓き「色彩の魔術師」と呼ばれた写真家です。

1921年、ウィーンに生まれたハースは、1947年にオーストリア人捕虜の帰還を撮影した写真でロバート・キャパに認められ、当時結成されたばかりの写真家集団マグナムに迎えられました。

ハースも当初はモノクロによるドキュメンタリー写真に取り組んでいましたが、1949年から開発されて間もないカラーフィルムによる実験を始め、ニューヨークでカラーのシリーズ作品の撮影を始めます。

当時のカラーフィルムは感度が極めて低く表現の自由度に欠けるものでしたが、ハースは巧みな技術でその特性を生かし、1953年に『ライフ』誌に初めてカラーフォトエッセイが掲載されると、その魔法のような色彩あふれる写真は世界中の写真家に感動と希望を与えました。

ハースはその後もヴェネツィアの街やスペインの闘牛などをテーマに次々と創造的で詩情豊かなカラー作品を発表し、1962年には、ニューヨーク近代美術館で最初のカラー写真による個展を開催した写真家となりました。

本展は、1971年に写真集として発表されたエルンスト・ハースの最高傑作「ザ・クリエイション」より、厳選された21点を貴重なダイトランスファープリント※で展示します。

本作はキリスト教の旧約聖書「創世記」の冒頭に描かれる「天地創造」をテーマに、地球の誕生から四季の到来、生物の出現といった壮大な物語を美しくダイナミックにうたい上げた写真史上に大きな足跡を残す名作です。

自然の姿に「天地創造」の荘厳な世界を重ね、鮮烈かつ繊細な色調で表現した作品群は、ハースの圧倒的な思想と視点を感じさせ、現代においては当たり前となったカラー写真の真の意味をも問いただします。

それはまさに「色彩の聖域」であり、21世紀の今日も、そしてこれからの時代にも決して色褪せることはないでしょう。

写真表現に新たな色彩の境地を切り拓いた偉大なる写真家エルンスト・ハースの世界をどうぞご堪能ください。

※カラー写真を三色分解(イエロー、マゼンタ、シアン)し、染料を転写して製作されたカラープリント。深みのある色と豊かな階調表現を特徴とする。プロセスが複雑で作業に熟練を要し、コストも高いため、1995年以降、姿を消しつつある技法。

◆ エルンスト・ハース (Ernst Haas) プロフィール 1921-1986
1921年、オーストリア・ウィーンに生まれる。1949年、『ライフ』誌に掲載された「戦争捕虜の帰還」の写真がロバート・キャパに認められ、同年、写真家集団マグナムに参加。キャパやウェルナー・ビショフ、アンリ・カルティエ=ブレッソンらと親交を深める。1951年、アメリカに移住。1953年、『ライフ』誌で初めてのカラーフォトエッセイを発表。1962年には、ニューヨーク近代美術館で最初のカラー写真による個展を開催した。その後、ヴェネツィア、ドイツ、アジアなど世界各地を撮影し『ライフ』、『ヴォーグ』、『ルック』などで活躍したが、1986年、ニューヨークにて脳溢血のため死去(65歳) 。同年、ハッセルブラッド国際写真賞を受賞した。主な写真集に『The Creation』(1971年) 、『In America』(1975年) 、『In Germany』(1976年) 、『Himalayan Pi lgrimage』(1978年)がある。

会場:FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア) 写真歴史博物館
※座席はございません。予めご了承ください。
参加:無料 申し込み不要

◆ 高橋則英氏(日本大学芸術学部写真学科教授)によるギャラリートーク
写真家エルンスト・ハースの人と作品を語ります
日時:2019年5月11日(土)14:00~/16:00~
各回ともに約30分の予定
会場:FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア) 写真歴史博物館
※座席はございません。予めご了承ください。
参加:無料 申し込み不要

主催者名

富士フイルム株式会社

日時

2019年03月01日 10:00 - 31日 19:00

場所

フジフイルム スクエア
東京都港区赤坂9-7-3

お問合せ先

03-6271-3350

ウェブサイト

http://fujifilmsquare.jp/detail/19030104.html

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