ウィーン美術史美術館展

 今日、私たちにとって最も親しみやすい絵画表現のひとつ、「風景画」。実は、ヨーロッパで風景が絵画の中に取り入れられはじめるのは、15世紀以降のことになります。彼方の眺望を見渡すかのように外界に開かれた室内の窓の描写を通じてでしたが、これをきっかけに風景表現は、聖書や神話の世界の舞台として次第に生き生きとした表情をみせるようになっていきます。そして17世紀を迎えると、もはや物語の舞台ではない独立した主題として取り上げられるようになり、さらにさまざまな分野に分かれていくようにもなります。とりわけこの頃のオランダを中心とした文化圏では、身近な風景がそれぞれの画家の感性によってみずみずしくとらえられ、人物の描写を含まない純粋な「風景画」の誕生に大きく貢献しました。

 ヨーロッパの主要美術館のひとつ、ウィーン美術史美術館は、オーストリア・ハプスブルク家の収集品を核としますが、風景画の重要作品も多数所蔵しています。本展では、そこからパティニール、ファルケンボルフ、ティツィアーノ、カナレットなどの巨匠をはじめとした名作、約70点を選りすぐり、「風景画」成立の過程をたどります。華麗なコレクションがひも解く「風景画」誕生の物語を、ぜひお楽しみください。

主催者名

静岡県立美術館、静岡朝日テレビ、中日新聞東海本社 

日時

12月19日2015年 10:00 - 03月21日2016年 17:00

場所

静岡県立美術館
〒422-8002 静岡市駿河区谷田53-2

お問合せ先

学芸課担当 TEL. 054-263-5857

ウェブサイト

http://spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/japanese/exhibition/kikaku/2015/05.php

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