二度の来日を通じてヨーロッパに持ち帰られたシーボルトの民族学的コレクションの中で、漆工芸品が占める数量的割合は極めて多く、とくに2回目の訪日時に収集されたと考えられているミュンヘン五大陸博物館所蔵のシーボルト・コレクションの漆器は500件をはるかに超えています。シーボルトが漆器の収集にとりわけ熱心に取り組んだことが明らかといえます。
本講演では、9か年にわたるドイツ・オランダにおける調査研究の成果をもとに、コレクションに含まれる多彩な漆工品の実例を紹介します。そしてシーボルト自身が書き残した記述を手掛かりにしながら、シーボルトがどのような意識でそれらを収集したのか、そしてどのように彼の日本コレクションに位置づけようとしていたかについて考えてみたいと思います。
主催者名
大学共同利用機関法人人間文化研究機構 大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館 朝日新聞社
日時
2016年08月13日 13:00 - 15:00
場所
国立歴史民俗博物館 講堂〒285-8502 千葉県佐倉市城内町117 国立歴史民俗博物館