アメリカのコンサルティング会社「マーサー(MERCER)」が毎年発表している都市ランキングで、2016年もまたウィーンが1位の座を獲得した。
ウィーンが「世界で最も生活環境の水準が高い都市」に選ばれたのはなんと7年連続。そこでderdiedasでは、ウィーンを訪れる人がまず何をするべきかを改めて提案したい。
1. 散歩をしよう

多くの観光客は街の散策に馬車を使う。しかし馬車はかなり割高な上、渋滞にも巻き込まれてしまう。それよりもその分のお金は食事に使い、自らの足で街を歩くほうがずっといいだろう。もちろん、地元の人が馬車を使うことはまずなく、むしろ過酷な環境で働かされている馬を気の毒に思っているそうだ。
2.「ホイリゲ」に行こう

ホイリゲ(Heurige)とは、ワインの新酒、そして酒場を意味する。暖かくなると、ウィーンの人々は街を抜け出し、ワイン畑のそばに建つ評判のホイリゲで時を過ごす。トラムに1時間ほども揺られればワイン畑はすぐそこ。夏にウィーンを訪れるなら、to doリストに「ホイリゲに行くこと」と必ず入れておきたい。
3.ウィーンの料理を食べつくそう

コケモモジャム添えのヴィーナーシュニッツェル(Wiener Schnitzel)に、カボチャの種のオイルがかかったポテトサラダ。ハムが入ったオーストリア独特のパスタ、シンケンフレッケアル(Schinkenfleckerl)をもちろん大盛りで。ジューシーなシュヴァイネブラーテン(Schweinsbraten)とゼンメルクネーデル(Semmelknödel)……。ウィーンは食い倒れの街でもある。
上記の定番料理をいただくならここ、『ガストハウス・シリング(Gasthaus Schilling)』へ。
『カフェ・オイローパ(Cafe Europa)』はクネーデルがとくにご自慢。
スパイシーな牛肉のスープ、グーラッシュズッペ(Gulaschsuppe)が美味しい『ウンガー・グリル(Ungar-Grill)』。
バニラソースのかかったリンゴのデザート、アプフェルシュトゥルーデル(Apfelstrudel)があつあつで提供される『カフェ・マリア・トラウ(Cafe Maria Treu)』も外せない。
4.もちろん、ファストフードも忘れずに

ケバブやカリーブルストなどの王道ファストフードはウィーンではあまり食べられていない。それよりもやはり地元のソーセージ、ヴィーナー(Wiener)をつまみたい(もちろんマスタードと西洋ワサビで。ケチャップは絶対にNG!)。スタンドでは、ヴィーナーのほかに、チーズ入りソーセージのケーゼクライナー(Käsekrainer)、焼きソーセージのブラートブルスト(Bratwürste)やホットドッグもあり、いずれもとても美味だ。
5.カフェでコーヒーを味わおう

カフェではブラックコーヒーやカプチーノを注文してはいけない。カフェ文化の発達したウィーンには、「メランジュ(Melange)」「フェアレンゲルテン(Verlängerten)」「ブラオネン(Braunen)」など、オーストリアでしか飲めないコーヒーが多々あるので、いろいろ試してみてほしい。まずは『デメル(Demel)』あたりから訪れてみてはいかがだろうか?
6.「ミュージアムクォーター」の中庭でぼんやりしよう

ミュージアムクォーター(Museumsquartier)とは、美術館が集まるエリアのこと。美術館に囲まれた中庭でゆったりと過ごすひとときは格別に贅沢だ。
地元民たちもゆったりとくつろぐイスには、「エンツィス(Enzis)」という名がつけられている。アンナ・ポペルカ(Anna Popelka)とゲオルク・ポドゥシュカ(Georg Poduschka)によってデザインされ、中庭のオーナーであるダニエラ・エンツィ(Daniela Enzi)にちなんで名付けられたそうだ。
7.やっぱりシュテファン寺院には登っておこう

シュテファン寺院はウィーンの最も有名なシンボルのひとつで、その前はいつでも大勢の観光客でごった返している。シュテファン寺院の北塔の上には、直径3m以上の、オーストリアで最大の鐘が取りつけられている。「プムメリン(Pummerin)」、あるいは「オーストリアの声(Stimme Österreichs)」とも呼ばれる鐘を、一度は目にしておきたい。
8.水道水を飲もう

ウィーンの水道水は、ヨーロッパの中で最もきれいなものに数えられる。その水は湧水地から36時間以内にポンプを使われることなく運ばれてくるという。蛇口をひねれば、いつでもそのきちんと管理された湧き水が流れ出てくる。
さらに市内には、900か所以上の飲用可能な水場がある。ウィーンでミネラルウォーターを買うのは単なる無駄づかい。カフェではいつも水のグラスが(もちろん無料で)運ばれてくるのもうれしい。
9.ファルコの墓を訪れよう

ファルコ(Falco)は、『ロック・ミー・アマデウス』などの大ヒット曲で知られる、死後なおウィーンの人々に愛され続けているミュージシャンだ。生前に語った「ウィーンで喝采を浴びるためには、まず死ぬ必要がある」という言葉を体現するように、ファルコは1998年に40歳の若さで交通事故により亡くなった。現在、ベートベンやブラームス、シューベルトとともに、中央墓地で静かに眠っている。