ドイツ人たちがBBQに勤しむ季節がやってきた。鉄板の上の主役はそう、やっぱりソーセージ、Wurst(ヴルスト)だ。ドイツ人ひとりあたりの年間消費量は実に30kgで、堂々の世界一位。だが、ひと口にヴルストといっても、種類は実にさまざま。ここでは、代表的な6種を紹介したい。
1.フライシュヴルスト(Fleischwurst)
主に塩漬けにした豚肉を使ったヴルスト。スライスしたものをパンの上に乗せたり、フライパンで焼いたり、あるいはさいの目切りにしてサラダのようにも食べられる。発祥はフランスのリヨンとされている。
2.ブルートヴルスト(Blutwurst)
ロートヴルスト(Rotwurst、赤ソーセージの意味)、あるいはシュヴァルツヴルスト(Schwarzwurst、黒ソーセージの意味)とも呼ばれるブルートヴルストは、いわゆる「血のソーセージ」。豚の血液、脂身、皮などにスパイスを加えて作られ、スライスしたものをパンの上に乗せたり、フライパンで温めジャガイモとともに食べたりする。
ケルンでは、「天と地(Himmel und Erde)」という、りんごのピュレとマッシュポテトが添えられたメニューでも知られる。一方のベルリンでは、レバーヴルストとジャガイモとともにいただく「死んだおばあちゃん(Tote Oma)」という、なんともブラック(?)なネーミングのメニューが有名。
3.ヴァイスヴルスト(Weißwurst)
ミュンヘン名物といえば、白ソーセージ(Weißwurst)。子牛の肉を使用したぷりぷりとした柔らかな食感で、皮をむいてスイートマスタードをつけて食べる。ミュンヘナーたちに倣って、ぜひナイフやフォークは使わず、手でいただきたい。おともにはヴァイツェンビールと、もちろんプレッツェルを。
4.ランドイェーガー(Landjäger)
豚のバラ肉と20%以上の脂身が混じった牛肉を材料に使ったヴルスト。亜硝酸塩、白コショウ、キャラウェイで味付けしたものが典型的なスタイル。ランドイェーガーはハイキングやピクニックなどのアウトドアに携え、白パンなどとともに食べるのが好まれている。
5.フランクフルター(Frankfurter)
フランクフルターは、軽くスモークされ、羊の腸に詰められた細めのヴルストのこと。湯で8分ほど温めれば、パリッと皮が弾ける仕上がりに。マスタードや西洋ワサビ、パンやポテトサラダとともにいただくのが王道。ドイツ国内で販売される際には、フランクフルターの名を名乗れるのはフランクフルト及びその周辺で生産されたものに限られている。似たものにウィンナーソーセージがあるが、ウィンナーは合いびき肉で作られるのに対し、フランクフルターは豚肉のみが使われている。
6.メットヴルスト(Mettwurst)
メットヴルストは加熱されていない牛・豚肉、そしてその脂身からできている、いわば“生ソーセージ”。作り方はイタリアのサラミに似ていて、薄切りにしたり、パンにのせたりして食べる。スナックがわりや、料理の付け合わせ、あるいはスープや煮込み料理の具としても好まれている。