今年は強烈な寒波と大雪に見舞われているヨーロッパ。そんな厳しい寒さをものともせず、オーストリアには例年通りたくさんのスキー客が訪れています。

そんなスキー大国オーストリアならではの飲み物があります。その名も「Skiwasser」、オーストリアでは「Schiwasser」と綴りますが、日本語に訳せば「スキーの水」。

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シーヴァッサー(Skiwasser)の正体は、ラズベリーシロップとレモン果汁を水で割ったもの。ウィンタースポーツの盛んなチロル地方のとある山小屋で、スキー疲れのお客さんに甘くてリフレッシュする飲み物をと、提供されたのが始まりだとか。

今や、シーヴァッサーはスキー場に限らず、オーストリアであればどのレストランやカフェでも注文できる定番ドリンクとなりました。スーパーでは家庭用に水で割れば良いだけのシロップミックスが大きなボトルで売られています。基本バージョンのラズベリーシロップ+レモン果汁のほかにも、オレンジ果汁入りのものなど、バリエーションも豊富。

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そして、もう一つオーストリアでの定番の飲み物がアルムドゥドゥラー(Almdudler)。
ちょっと言いにくい名前ですが、1957年の発売以来ずっと愛されている国民的飲み物。ボトルには民族衣装を着た男性と女性の絵が描かれていてオーストリアらしいデザインとなっています。

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アルムドゥドゥラーは要はハーブレモネード。発明者が3年かけて作り上げたハーブ抽出物ミックスがさっぱりと爽快感を与えてくれて、シーヴァッサーと同じようにリフレッシュ感たっぷりのドリンク。

筆者はよくビールと割ってアルムドゥドゥラーをRadler風(ビールのレモネード割)にして飲んでいたのですが、そんな消費者がほかにも多くいたのか、アルムドゥドゥラー風Radler、その名もアルムラドラー(Almradler)が登場!ビール感が他のRadlerよりも少なく、ジュースに近い味なので、ビールが苦手な人にも飲みやすいと思います。

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シーヴァッサーにアルムドゥドゥラー。レッドブルだけでなく、オーストリアには斬新な発想で生まれた飲料がまだまだ沢山あります。オーストリアに足を運ばれた際には、スィーツだけでなく、ぜひオーストリアオリジナル飲料も試してみてください。ちなみにアルムドゥドゥラーはオーストリア航空でも飲むことが出来ますよ!

執筆者:Obi
オーストリア西部のチロル地方在住。「地球の歩き方」オーストリア&チロル特派員を担当。2014年から住んでいるものの、まだまだこの国には知らないことだらけ。そんなオーストリアやチロルの魅力を発信していきます。

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