実はドイツでも、出会いはオンラインが盛ん。シャイなドイツ人だけど告白は暴走!? ドイツ人の愛のかたちを伝える、恋愛の(?)ドイツ語! その1

日本ではバレンタイン商戦真っ只中かと思いますが、ドイツでも実はバレンタインデーにチョコレートを贈る人は多いようです。といってもチョコレートはメインではなく、チョコレートを添えてバラの花束だったり、ジョークの効いた下着やらバスローブ、名前入りのアクセサリーなどを贈るそう。

市場調査によると5人に1人のドイツ人が、バレンタインデーに50ユーロ以上の贈り物をすると答え、イタリア人、スペイン人に次いで多いのだとか。その割合は男性の方が高く、さらに若い人が多いそうです。男女問わず、若い人の「愛の気持ちを伝える日」として、使われている?ようですね。

今回は、案外知られていない?「ドイツの愛のかたち」のドイツ語、第一弾です。

出会い編:
出典:© 河内秀子

サンドラ・ヘフェリンさんが、コラムで日本とドイツの恋愛観の比較をされているのを興味深く読ませていただいています!私のとぼしい恋愛経験ではなかなか「ドイツ人の恋愛はこう!」とは言い切れないのですが、周りを見る限り、わりと繊細でシャイ、奥手というところにおいて日本と通じるところがあるように思います。

☆Die Deutschen flirten sehr subtil. > ドイツ人はとっても繊細に恋愛をする。

上の映像は、2003年頃にヒットしたバンド「Wir sind Helden」が歌う、フランス人女子のドイツでの恋愛「Aurélie」のPV。『ドイツ人はとっても繊細に恋愛するのよ』という歌詞に、深くうなづきました……。

ドイツに住むフランス人の女の子が、誰も私を好きじゃない!と悩む歌なんですが、ボーカルのユーディットは『ドイツ人男子も皆あなたのことがとっても好きだけど、口笛を吹いたりしないし、キスしたいと思っててもサッカーのことを話してるから、あなたが気づかないだけよ』と諭します。フランス人と比較してのドイツ人恋愛事情が垣間見えてなかなか面白かった歌です。

出典:© 河内秀子

ナンパが少なくて、学校や仕事場以外での出会いを探すなら、どうしたらいいの!?私の周りのアラフォーでシングルのドイツ人女子が集まると、よく出る話題です。年代的に、個人が行うパーティはあまり出会いの場にはならないようで…。

個人的な感想ですが、ドイツ人(30代以降〜)はパーティであまり知らない人に積極的に声をかけないように思います。パーティのホストがお客同士を紹介してくれれば良いのですが、それをやらない人も多い。じゃあどうしたら、知らない、どこかにいるパートナー(候補)に、出会えるの?

☆Waschbrettbauch > 洗濯板のようなお腹

昔なら雑誌や新聞の広告というのも多く、私もドイツ語の雑誌の最後尾にある「Kontaktanzeige(出会い広告)」を楽しみに読んでいました。自分の短所(と長所)を、短い文章の中でどうアピールするか?ドイツ語の表現を知るうえでも、なかなか面白いんですよ。

たとえば、ドイツ語で割れた筋肉を持つお腹のことを、「Waschbrettbauch(洗濯板のお腹)」といいます。いわゆるシックスパックですね。これをもじって、「Waschbärbauch(アライグマのお腹)」と書いている人がいました。「当方、30代の男性、優しいアライグマのお腹を持っています。一緒に映画を見たり、食事を楽しんでくれる人を求む」ってな感じですね。たぷたぷで毛むくじゃらなんだろうな〜と微笑ましく(笑)。「大卒です」などと、学歴が書いてあることが多いのも興味深かったです。

☆paarschippen > パーシップをする

いまなら出会い探しは、オンライン。最大手のマッチングサイトが、parship.deです。週間アクティブユーザー数は75万人で、ドイツの市場最多を誇るそう。大卒以上〜のユーザーを主とする、elitepartner.deは、週間アクティブユーザー数が65万人。

学歴重視というと語弊がありますが、話や趣味があうかということを考えた時、学歴は無視できない要素なのではないかとも思います。出会いはオンラインでと言うカップルも増えました。

☆tindern > ティンダーをする

ちらほら話に出てくるのが「tindern」。2012年にスタートした出会い系アプリTinder を使うことです。「ティンダーだと結局一晩限りで、続かない」と嘆く友だちがいたんですが、そもそもそういう需要のために作られたアプリですよね……。位置情報を使うサービスのため、出会った人が近所に住む友達の兄弟だった、なんて話もあったり、突然家の前に来た人がいた!ストーカーされた!と言う話を聞いたりもして、、ちょっと怖くてこのアプリを実際ダウンロードしてみたことはありません。ので全部伝聞です。あしからず。

告白編:
出典:©河内秀子
☆die magischen drei Worte > 魔法の3つの言葉

「出会い」の話が長くなってしまいました。やはり、ドイツではまず出会いに時間がかかるんですね。(?)さあ、2人が出会い、愛の告白ーとなるのですが、ドイツ人ってどんな風に告白するんでしょうか。初級ドイツ語の教科書には、ちゃーんと「イッヒ・リーベ・ディッヒ(I love you)」という文章が載っていますが、この3つの単語を、ドイツ語だと「魔法の3つの言葉」と言います。

出典:© 河内秀子

出会って次の日だって、すぐ愛の告白をしてもいい!という人は男性では42%、女性は23%というアンケート結果を読んだのですが、次いで女性においては最低でも一か月、と言う人が18%、3か月が17%。特にドイツ人女性は少し時間をかけて、と言う人が多いよう。

じゃあ、どうやって愛の告白をするのかは、人によって千差万別だとは思いますが、やはりバレンタインデーのロマンチックディナーで、なんていうのもあるようです。

画像は近所で見かけた、愛の告白の垂れ幕!通りの向かい側に住む女の子に向けてのものみたい。すごい!実はこういうのを見かけるのは2度目。ドイツ人はシャイなんですが、なかなか熱いというか、思い込んだら暴走してしまうんですかね……。

出典:© notesofberlin.com

ベルリンでは、時々街灯の柱に、張り紙がしてあるのも見かけます。「●月x日の何時頃、路面電車に乗っていた人。こんな話で言葉を交わしましたが、覚えていますか?連絡してください!」または、この道ですれ違った人を探しています、というメッセージだったり。その場で声をかけられなくて、こんな張り紙をするなんて案外ロマンチストだなーと感心してしまいます。

ちなみに私自身はバレンタインデーを祝ってもらったことはありません……。
40代以降のドイツ人だと、「バレンタインデー?それ何曜日だっけ?」という無関心な反応が返ってきます。そのくらいの認識です。イベント的なものといっても、ベルリンの某植物園ではカップルだと入場料が1人分無料になるとか、それくらいでしょうか。

バレンタインデーは、20代以降を中心にじんわりと広まってきている感じですが、逆にアンチバレンタインデー・イベント(シングルで集まってひたすら飲む!)なんていうのも盛り上がっているようです。

バレンタインデーの前日にお届けする次回の記事では、南部・西部ドイツにある、愛の告白の風習(?)も含めてご紹介しようと思っています!

執筆者:河内秀子
東京都出身。2000年からベルリン在住。ベルリン美術大学在学中からライターとして活動。雑誌『Pen』や『料理通信』『ミセス』、『Young Germany』『Think the Earth』などでもベルリンやドイツの情報を発信させて頂いています。
Twitterで『#一日一独』ドイツの風景をほぼ毎日アップしています。いまの興味は『#何故ドイツではケーキにフォークを横刺しにするのか問題』。美味しくてフォークを刺してあるケーキを探し歩く毎日です。HPもご覧ください。