洗濯が面倒だから着る服はいつも単色!

オーストリアに来てから日本は何て楽なんだ!と思う事の1つに「洗濯」があります。こちらは日本と違い硬水なのでポット、蛇口、シンク、食器洗浄機なども定期的にケアしないとすぐにカルキで真っ白になるのですが、それは洗濯機も同じ。

それに加えてオーストリアで洗剤を買おうとすると、色々な種類があるので移住して間もない頃はどれが洗剤で柔軟剤なのか、カルキ対策や洗濯機の表示もよく分からず苦労しました。

買ったばかりの時は辞書片手に使っていた我が家の洗濯機。未だに使いこなせている気はしません・笑

出典: © Obi

右側のダイヤル、左上からWeiße Wäsche、Helle Farben、Schwarz&Dunkelと書いてありますが、これは洗濯物の色を指していて、それぞれ白、明るい色、黒か暗い色ということ。そして、右側に書かれているのはウール素材、ジーンズ、下着、シャツなど素材ごとの分類。

このようにオーストリアでは洗濯物は色や素材によって分けて洗うのが一般的なんです。面倒だしまとめて洗っちゃえ!と明るい色と黒物を混ぜると、確かに明るめの色の服が灰色になったり縮んだり…なんて事に。(※色、素材によって分けるのは日本でもやっているかと思いますが、こちらでは日本以上に気を遣います…)

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こちらは洗剤関連用品。一番奥の3本のボトルは左から黒色、白色、色付きの衣類用の洗剤(Waschmittel)。手前左は柔軟剤(Weichspüler)、中央は色落ち防止シートで洗濯する際に衣類と一緒に入れます。右はカルキ防止のタブレット。これも一緒に入れて洗濯します。この他にも染み抜きの洗剤やら何やらと色々な“洗濯必需品”を揃えると、洗剤関連用品はかなりの量に。

また洗剤には洗濯する水の温度も書かれています。強力な汚れは90℃台、他は大体40℃前後で洗います。洗剤のボトルにもその指示が書かれており、色物は30℃、40℃、60℃で洗うのが一般的です。

出典: © Obi
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右端の20や25という数字は「洗濯カゴ20回分、25回分の洗濯ができますよ」ということを表しています。

以前働いていたレストランでは汚れた厨房の布巾や掃除に使った雑巾を95℃で洗っていました。繊維類を100℃近い高温水で洗濯するという習慣は日本にはないので、移住当初はかなりの衝撃を受けました。

近くに寄ると熱気がモワッと立ち込めていて、布は傷まないのかと心配したものです。こちらの人は洗濯する前にタグに書かれている洗濯可能温度を確認し、高温で洗濯してよいものは、わりと高温で容赦なく殺菌・洗浄します。

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洗剤の裏面にはこのような表があり、水の硬度と汚れの具合によって投入すべき洗剤量の目安を知ることができます。私の住む地域は硬水度がMittel(中硬水)なので、表の上段を見て、あとは洗濯物の汚れ具合から洗剤の量を決めます。

さて、ここまで洗剤と洗濯機についてご説明してきましたが、筆者が最もうんざりしているのは、色や素材による洗剤の使い分けやカルキ対策以上に、何と言っても洗濯時間の長さ!

まず40℃で黒・暗い色の洗濯物を洗う場合。

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1時間44分かかります。まぁこれくらいなら…な時間です。

次に白色の洗濯物を洗う場合。

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2時間45分、約3時間です…。

そして、下着やワイシャツなどの木綿素材を水温60℃で洗うKoch/Buntモードだと運転時間3時間30分!

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こんな感じなので例えば毎日のように着る黒物の服、下着類、そしてジーンズも…などと分けて洗濯していくと半日はかかるんです。

一応、洗濯が15分で終わる短縮モードというクィック洗濯があるものの、「じっくりしっかり洗う」が洗濯の基本という意識が自分にも植えつけられつつあるのか、ちゃんと洗えているのか?となんとも言えない不安な気持ちを抱くことに…(笑)

そして硬水のせいなのか、衣服が傷みやすいのも困っているところ。義母からは「柔軟剤を使うと服がさらに傷みやすくなるから使っちゃだめよ」 と言われていますが、使わないともうゴワゴワで肌触りが最悪なので使わないわけにもいかず…。

そんな環境なので、普段は洗濯の分類がしやすい単色の服が中心になり、布が傷んでしまうのは嫌なので、日本で買ったお気に入りの服はいざという時にしか着なくなりました。もったいぶってあまり着ないうちにもはや日本では流行遅れになったような服も多々…。

いかがでしたか?オーストリアに住んでいると、日本食はもちろん、まとめて洗濯機に突っ込んで短時間で洗い、仕上がりもフワフワで着心地良し!という洗濯環境まで恋しくなるのです。

執筆者:Obi
オーストリア西部のチロル地方在住。「地球の歩き方」オーストリア&チロル特派員を担当。2014年から住んでいるものの、まだまだこの国には知らないことだらけ。そんなオーストリアやチロルの魅力を発信していきます。

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