サンドラの日独比較 Vol. 6
ドイツ人は「金髪」にシビア!?

ドイツ人から見た日本女性のイメージは「小柄でまっすぐな黒髪が素敵な大和撫子」!

「まっすぐな黒髪」はもちろんロングヘアーです。イメージでいうと、日本が美少女ブームだった頃の宮沢りえや後藤久美子のようなイメージです(88年~89年頃)。そう、筆者サンドラが中学生の頃のニッポンでは「黒髪でまっすぐなロングヘアー」が流行っていたのですね。

そして、それは今でも多くの欧米人男性のストライクゾーンなのでした。

出典: flickr/Omiya Tou CC BY 2.0

そのため、まっすぐな黒髪の大和撫子を夢見て日本にやってくるドイツ人男性の一部は、来日早々、多くの日本人女性の「茶髪」と「シャギー」に少々がっかりするようです(笑)

現に私サンドラもドイツ人男性からそのような相談を受けたことがあります。それは「日本人女性の髪はあんなに綺麗なのに、なぜみんな、「段」を入れたり、切ったり、茶髪にしたりするのか」という質問兼相談なのでした。「どうして本来の美しさを大切にしないのか?」と大変悩んでいたようでした(笑)

さらにもっとシビアなのが、ドイツ人の「金髪」に対する目です。ニッポンのサッカーチームにも金髪に染めた人が何人かいたと記憶しておりますが、多くのドイツ人に「なぜ、日本人は髪の毛を金髪に染めるのか。あんなに健康(kräftig)な黒髪なのに。」と聞かれました。

日本の感覚だと、茶髪に染めるのも、そして金髪に染めるのも、時代の流れに沿ったものなのだと思います。

ところが、ドイツ人男性にとっては「まっすぐな黒髪のロングヘアー」は永遠の憧れなのですね。

もし、日本人女性がドイツ人男性のハートを射止めたいなら、「切るな!染めるな!」です(笑)これが鉄則であります。なんだか昭和の中学校の校則みたいですね。

金髪といえば、ドイツにはかつて「金髪ジョーク」(ドイツ語: Blondinenwitze) なるものが流行っていた時期がございました。代表的な「金髪ジョーク」に、「金髪美女の耳に懐中電灯を当てると、どうなるか知ってる?その女性の目が光るんだ!(脳ミソが入っていないため、光がそのまま通る)」というものがありました。

出典: © Fotolia

そのほかにも、「昼間に街をマットレスを持って歩いている金髪女性の目的は、なんでしょう?答えは、会社の面接試験!」(つまりカラダで仕事をゲットするという意味)というジョークも流行っておりました。はい、かなり趣味の悪いジョークですね。

いま改めてBlondinenwitze(「金髪ジョーク」)について考えてみると、そこにはモテる金髪女性に対する妬みも多く存在したのではないかと思います。

では、男性に関してはどうなのかというと・・・意外にもドイツにおいては、金髪の男性よりも、「濃い顔立ちの男性」がモテている印象です。ドイツ人女性の話を聞いていると、南の島を連想させるような男性が好みだという人が多いですね。黒髪、濃い眉、そして情熱的な黒い瞳。イメージでいうと、イタリア人男性やスペイン人男性が近いかもしれません。

出典: © Fotolia

なんだか不思議ですね。もしかしたら、どこの国でも「憧れの容姿」に関しては「無い物ねだり」の部分があるのかもしれませんね。

続きは、著書『「小顔」ってニホンではホメ言葉なんだ!? ドイツ人が驚くニホ日本の「日常」』をご覧くださいませ。

サンドラ・ヘフェリン

コラムニスト。ドイツ・ミュンヘン出身。日本語とドイツ語の両方が母国語。自身が日独ハーフであることから、「ハーフはナニジン?」、「ハーフといじめ問題」、「バイリンガル教育について」など、「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ)「ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ』(原作:サンドラ・ヘフェリン、漫画: ヒラマツオ/KADOKAWA)「『小顔』ってニホンではホメ言葉なんだ!?~ドイツ人が驚く日本の「日常」~」(原作:サンドラ・ヘフェリン、漫画: 流水りんこ/KKベストセラーズ) など計11冊。ホームページ 「ハーフを考えよう!」 を運営。趣味は時事トピックについてディベートすること、カラオケ、散歩。