ビールに、悪魔に、白いバラ? かつてのバイエルン王国の首都・ミュンヘンで、「ドイツらしいドイツ」を存分に味わおう。
1.ペーター教会の塔に上ろう

ペーター教会(Peterskirche)の塔からは、絶好の位置からミュンヘンのシンボル的存在の新市庁舎を見下ろせるほか、条件がよければ遠くドイツアルプスまで望める。ちなみに、昼12時などの鐘の数が多く鳴るタイミングで塔の上にいると、鐘の遠心力で石造りの塔がわずかにゆっくりと揺れるのが感じ取れ、なかなかのスリルだ。
2.ビール文化に浸ろう
名実ともにビール王国のバイエルン。その州都ミュンヘンには、数多くのビアガーデンやビアホールが存在し、そこで傾けるビール(もちろん1リットルグラスの「マース(Maß)」で!)は別格の美味しさだ。
とくにおすすめなのは、英国庭園(Englischer Garten)のなかにあるビアガーデン。

ビアホールでは、醸造所に隣接した「アウグスティーナー・ブロイシュトゥーベン(Augustiner Bräustuben)」をぜひ訪れてほしい。

3.「氷の小川」のサーフィンを見物しよう

ミュンヘンの新名所となっているのが、イーザル川の支流、アイスバッハ(Eisbach、氷の小川の意味)のサーフポイント。川幅10mほどの大きくうねる波に果敢に挑戦するサーファーたちを眺めるだけのものだが、不思議と飽きることはない。
英国庭園内にあるので、散歩のついでに訪れるのもいい。もちろん腕に覚えがある人は参加も可能だが、その名の通り川の水は氷のように冷たいのでご注意を!
4. 朝食に白ソーセージを食べよう

ミュンヘン名物といえば、白ソーセージ(Weißwurst)。子牛の肉を使用したぷりぷりとした柔らかな食感で、皮をむいてスイートマスタードをつけて食べる。ミュンヘナーたちに倣って、ぜひナイフやフォークは使わず、手でいただこう。おともにはヴァイツェンビールと、もちろんプレッツェルを。
とくにおすすめなのはここ、「ヴァイセスブロイハウス(Weisses Bräuhaus)」。連日大変な賑わいなので、なるべく開店直後に訪れたい。
5. ヴィクトアーリエンマルクトで食べ歩きをしよう

ヴィクトアーリエンマルクト(Viktualienmarkt)は旧市庁舎のすぐそばに位置し、市民も観光客も訪れる“ミュンヘンの台所”だ。焼きたてのソーセージにかぶりつくもよし、搾りたてのフレッシュなフルーツジュースを飲むもよし。
雑貨店などを眺めながらぶらぶら歩くだけでも楽しいスポットだ。座って休めるカフェやビアガーデンもあるので、きちんと食事を取ることも可能。
6.「白いバラ」に思いを馳せよう

ミュンヘンはナチス・ドイツが生まれた地。その政権下にあって、ハンス・ショル、ゾフィー・ショルの兄妹を含むメンバーたちが行った反ナチ運動の名が「白いバラ(Die Weiße Rose)」だ。
ミュンヘン大学の大学生だった彼らは政権批判のビラなどを作成・配布するなどの運動を秘密裏に行っていたが、わずか1年足らずで発覚。首謀者全員がギロチンで処刑された。
その勇気をたたえ、現在、ミュンヘン大学構内にモニュメントなどが設置されていて、誰でも訪れることができる。
7.「悪魔の足跡」を写真に収めよう
旧市庁舎から徒歩3分程度のところにある、フラウエン教会(Frauenkirche)には奇妙な伝説が残されている。かつて悪魔がこの教会を訪れ、窓が作られていないことをあざ笑い足跡を残した。しかしそこから一歩踏み出すと立派な窓が現れ、だまされたと怒り狂った悪魔は強風を起こして教会を破壊しようとしたがかなわなかったというのだ。

教会内にはその足跡が残されており(実際にその位置からは窓は見えず、移動すると見えるようになる)、教会の周囲では妙な風が吹くとか吹かないとか……。教会内は祈りの場所なので、静かに見学することを忘れずに。
8. 州立歌劇場でオペラを見よう

ミュンヘンの州立歌劇場(Staatsoper)では、8月をのぞき質の高いオペラやバレエ、クラシックコンサートが連日開かれており、20€前後から気軽に観ることができる。オペラというと敷居が高く感じるかもしれないが、ドレスアップした人々がいる一方で、ジーンズ姿などでカジュアルに楽しむ人たちの姿も。チケットの予約はホームページから行える。
9. BMWの聖地を訪れよう

「BMWヴェルト(BMW Welt)」は、車好きなら外せないスポットだ。最新モデル車の試乗などができるほか、子どもも楽しめる展示やシミュレーター、星付きレストランなどとさまざまな過ごし方が可能。
BMWヴェルトの向かい側の「BMWミュージアム」には歴代の名車などが展示され、こちらもファンにはたまらないスペースだ。