甘い物はデザートではなくメインにもなる!
オーストリアに移住して筆者がしばらく慣れなかった事の1つが食事でした。語学学校時代に先生が「日本を訪れた時に日本人がご飯や味噌汁など1日3食温かい食事をする事に驚いた」と話した際、周りからも「そんなに食べるの?」「食事の用意が大変じゃない?」などと言われましたが、彼らが驚いたのも納得でオーストリア人の食生活は日本と比べると質素だと思います。
夫と義両親と暮らす筆者、今では食事は義両親とは別ですが、朝、昼、晩と同じ食事をしていた頃は初めこそ物珍しさもあって楽しめたものの、次第に同じメニューに飽きてきて栄養も偏るせいか体調も崩しやすくなり、当時のオーストリア生活で1番のストレスの原因が食事でした。
オーストリア人は朝と夜は冷たい簡単な食事で、昼は火を使った温かい食事をとると言われています。そこで今回は普段彼らがどんな食生活をしているのかを我が家を例に挙げて紹介したいと思います。
(※あくまで我が家の場合なので、全てのオーストリア人が同じ食生活をしているとは限りません)
◆朝◆
これは我が家の朝食。宿泊していたお客様用に出したものなので写真にはハムやチーズ、シリアルなどもありますが、普段は黒パン、コーヒー、バターとジャム、ヨーグルトのみです。
カフェやパン屋さんの朝食はこんな感じ。コーヒーが付いて大体3~6ユーロなので通学、出勤前にこうした朝食メニューを注文している人が多いです。
◆昼◆
昼は火を使う温かい料理。スープやじゃがいも、肉類が食卓に並びます。義両親は普段はパスタや簡単なオーストリア料理、または野菜メインの食事をとるだけで済ませ、私達含めて家族全員で食べる週末はちょっと豪華に肉料理といった食生活をしています。
Schweinebraten(ローストポーク)
ザワークラウトやKnoedel(小麦粉やゼンメルで作った団子)を添える事が多いです。
Gerstensuppe(大麦スープ)
Strudel (パイ生地に様々な具を包んだもの。Apfelstrudel、Topfenstrudelが有名ですね)
そして筆者がお昼にこれは…と思ったのが、日本人の感覚だとデザートにしかなり得ない甘いものがお昼ご飯として出されること。
お昼ご飯として出されたりんごのコンポート。義母は時々お昼ご飯にこうした甘いものを出すのですが、それ以外の食べ物は出されないので正直辛いです…。一度チョコレートのたっぷりかかったパラチンケン(クレープ)が昼食だった時、筆者は1つしか食べられませんでしたが、周りの家族はご飯として何枚も食べていました (笑)。
◆夜◆
人によって生活スタイルで夕食の時間は違うと思いますが、我が家の場合、夕方4時~5時にコーヒータイムがあります。そして、毎日、そのコーヒータイムで食べるパンやケーキが「夕食」となるのです。
ケーキの場合はこんな感じ。どちらも義母の手作り。
コーヒータイム以降にお腹が空いたら果物やサラダなどを食べます。義母曰く「夕方のコーヒーの時間はオーストリア人にとって一番大切な時間」とのこと。それにしてもコーヒーとケーキまたはパンだけの夕食になかなか慣れなかった筆者は、たびたび夜にお腹を空かせて仕方がなかったです。
ところ変われば食も変わりますが、コーヒーは毎日、そしてケーキやその他の甘い物も食事として頻繁に食卓に並ぶオーストリア。カフェ・ケーキ大国ならではの食文化なのでしょうね。
執筆者:Obi
オーストリア西部のチロル地方在住。「地球の歩き方」オーストリア&チロル特派員を担当。2014年から住んでいるものの、まだまだこの国には知らないことだらけ。そんなオーストリアやチロルの魅力を発信していきます。
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