みなさん、こんにちは! サンドラです。今日から「サンドラの日独比較」という新コーナーをやらせていただくことになりました。

私が来日したのは1997年ですので、もうすぐ日本に来て20年です。日本やヨーロッパ(主にドイツ)のいろんな違いを観察しながら、異文化にまつわる本を書いてきました。これまで出版された本は11冊。その中から特に面白い話やご紹介したい内容をこのコーナーで取り上げていきます。みなさん、どうぞお楽しみに!!

サンドラの日独比較 Vol. 1 ドイツには「先輩」・「後輩」という概念がない!

欧州圏の人が日本にきてびっくりする文化の一つに「人間の上下関係」があります。まず学校の部活動。挨拶からはじまって、準備に片付け、スポーツドリンク作りからボール拾いなどなど。下っ端のことは下級生が担当するのが当たり前という考え方。

出典: flickr/Anmin lin CC BY-NC-ND 2.0

ドイツには日本のような「部活」はありません。子供達は趣味や興味によって自治体がやっているクラブに入ったり、個人的にレッスンを受けたりしています。

出典: flickr/FrauWeibsvolk CC BY-ND 2.0

では「先輩」と「後輩」の概念がないぶん、ドイツでは子供たちの間でどのように力関係が決まるのかというと・・・答えは、とりあえず声が大きい人、押しが強い人、そして体格がいい人が幅を利かせているという、笑えない現実があったりします。

出典: flickr/Matthias Hielscher CC BY-NC-ND 2.0

日本では社会人になっても厳しい上下関係が続きます。たとえば「部下」のドイツ語訳を調べると「Untergeordneter」や「Untergebener」なんて単語が出てきます。

出典: flickr/Jeff Lawson CC BY-NC-ND 2.0

でも、これらの単語は服従や隷属の意味合いが強くて、軍隊などで使われていた単語で、イメージ的には日本語の「部下」にマッチしません。

ドイツ人が使っている「部下」に相当する単語は「Mitarbeiter」、日本語に訳すと「同僚」とか「協力者」となります。

出典: flickr/Telefonica in Deutschland CC BY-ND 2.0

「部下」の意味合いが欠けているではないか!と感じるかもしれませんが、そもそもドイツには「先輩」、「後輩」の概念がないのですから仕方ありません。

入社時期や年齢など誰も気にしないんです。フラットな人間関係を築きたいなら、ドイツの会社で働くことをおすすめしますよ。

続きは、私の著書「日本人、ここがステキで、ここがちょっとヘン。」をご覧くださいませ。

サンドラ・ヘフェリン

コラムニスト。ドイツ・ミュンヘン出身。日本語とドイツ語の両方が母国語。自身が日独ハーフであることから、「ハーフはナニジン?」、「ハーフといじめ問題」、「バイリンガル教育について」など、「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ)「ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ』(原作:サンドラ・ヘフェリン、漫画: ヒラマツオ/KADOKAWA)「『小顔』ってニホンではホメ言葉なんだ!?~ドイツ人が驚く日本の「日常」~」(原作:サンドラ・ヘフェリン、漫画: 流水りんこ/KKベストセラーズ) など計11冊。ホームページ 「ハーフを考えよう!」 を運営。趣味は時事トピックについてディベートすること、カラオケ、散歩。