銀色に輝くエルプフィルハーモニーがついにオープン。3つのコンサートホール、ホテル、一般住居を備え、広場からは街と港が一望できるハンブルクの新名所だ。
ハンブルクの古い埠頭倉庫の上部に作られたコンサートホール、エルプフィルハーモニー(Elbphilharmonie)、愛称「Elphi (エルフィ)」。
スイスの有名建築家ユニット、ヘルツォーク&ド・ムーロン(Herzog & de Meuron)の設計によって、計画当初の10倍に当たる約8億ユーロの建築費と、10年の建築期間をかけて完成したハンブルクの新しいシンボルだ。

独特な建築技術によって実現した鏡のような外壁に、空と海とハンブルクの街が映し出される。外壁は4 x 5メートルサイズのパネル1110枚からなり、ミリ単位で精密加工されたものだ。さらにガラス面の温度上昇を防ぐため、小さな濃灰色の反射点がついている。

2100席を備えたメインコンサートホール

コンサートホールの壁には、貝がびっしりと張り付いたように見える、特別な素材のパネルが採用されている。かつてない自然な音の響きがホール全体に伝わる。ちなみに音響を担当したのは、日本を代表する音響設計家の豊田泰久氏だ。

SF映画に出てくるようなエスカレーターで館内を移動

ハンブルク港が一望できるベンチで一休み

エルベ川(Elbe)に面していることから、エルプフィルハーモニー(Elb-Philharmonie)と名付けられたこのホールは、2016年10月から一般公開が始まり、2017年1月11日にこけら落としコンサートと共に開業する。

北ドイツ放送交響楽団は楽団名を「北ドイツ放送エルプフィルハーモニー管弦楽団」(Elbphilharmonie Orchestra)と変え、今後はエルプフィルハーモニーを本拠地として活動することとなる。

ハンブルクは、この新しいランドマークを誇りに思う一方、建築費問題で揺れたスキャンダラスな建物に、微妙な感情も抱いている。

「行ってみたい!」と思ったらこちら。建築現場と、完成したエルプフィルハーモニーとの両方に行った気分になれる動画だ。