スイスの伝統的な格闘技シュヴィンゲンは、体の大きな男たちによる1対1の勝負。中身は相撲に似ているが、土の上でなくおがくずの上で繰り広げられる。

シュヴィンゲン(Schwingen)は、がっぷりと組み合って、投げたり足技をかけたりして相手を地面に倒す格闘技。

相撲と違うのは、衝撃を和らげるためにおがくずが競技場に敷き詰められていること。土よりも痛みは少ないかもしれないが、目や鼻の中におがくずが入るのもかなりツライだろう。こちらの動画を見ればどんな競技かが一目瞭然。誇り高き男性らが登場し、勇敢に闘うものの、相撲を見慣れた日本人からすると”おがくず”の存在が気になって仕方ない。その姿はまるで格闘するカブトムシのよう。

重要なのはシュヴィングホーゼと呼ばれる特別なズボンだ。丈夫な雲斎織で、革の持ち手がついている。競技者たちはこのズボンの持ち手を持ちあって戦う。試合中離すことはなく、相手を投げ飛ばそうと互いに必死だ。

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肩甲骨か背中が地面についた方が負けというシンプルなルールで、スイスではとても人気がある。

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アルプスの素晴らしい景色を背負ったおがくずアリーナ!

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新しいシュヴィンゲンの王者はベルン出身30歳のマティアス・グラルナー(Matthias Glarner)。毎年の優勝者は「スイスの王(König der Schweiz)」と呼ばれる。

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リング上の姿。

出典: Facebook/Matthias Glarner

5万人の観客の前で勝利した8月の終わりの大会の後、牛と一緒に登場。「スイスの王」らしい写真だ。一風変わった相撲を一度見てみてはいかがだろう。

出典: Facebook/Matthias Glarner