酸っぱいキャベツとして日本でも知られつつあるドイツの国民食ザワークラウト。実は酢漬けではなく、乳酸発酵食品だ。その驚きの伝統製法とは?!
昔はザワーコール(Sauerkohl)と呼ばれていたドイツの国民食ザワークラウトは、ヴァイスコール(Weißkohl)から作られる。キャベツに似ているが日本のキャベツとは少し違う。ヴァイスコールは葉が厚く、味もキャベツほど甘くない。
ドイツ最北端の州シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州(Schleswig-Holstein)、バイエルン州、ノルトライン=ヴェストファーレン州(Nordrhein-Westfalen)、シュトゥットガルト地方で栽培されている。
ヴァイスコールの葉はこんなに肉厚!
ザワークラウトは乳酸、ビタミンA、B、C、ミネラルを多く含み、ドイツでは冬の間の重要なビタミンC供給源だ。脂肪を含まずエネルギーが比較的豊富で、厳しい冬を乗り切るのに重要な保存食だった。
今でも伝統的な製法で、ザワークラウトとピクルスを製造しているのが、ブランデンブルク州(Brandenburg)のシュプレーヴァルト(Spreewald)の小さな工場だ。
シュプレーヴァルトは、たくさんの水路を小舟が行く様子から、「東のベネチア」と呼ばれる。湿潤な気候で、キュウリとヴァイスコールが良く育つ。
水路を小舟で運ばれるヴァイスコール。
こちらのショートビデオでザワークラウト製造の現実を知ることができる。必見!!
スライスには大きな工場と同じように機械が使われる。この写真はスイスの最大のザワークラウト工場のもの。
次に待っているのは、スライスされたヴァイスコールを、何時間もの間、足で踏みつける作業だ!
もちろん足は、よくよく綺麗に洗うか、ビニール袋でカバーするか、ゴム長靴を履く。
踏むことによって、葉が締め固められ、水分が抜ける。そして樽に隙間がなくなる。それによって、特定の細菌が増えることを防ぎ、間違った発酵が進むことをさけるのだ。
そして、乳酸菌がヴァイスコールの中の糖を乳酸に変え、ザワークラウトができる。
木の棒で代用することも可能だ。
その後、樽で4〜6週間発酵させる。現在売られているザワークラウトは、大抵プラスチックの容器入りだが、伝統製法を思わせるパッケージが多い。
東ドイツの市場では、シュプレーヴァルトのザワークラウトを、大きな樽から直接買うこともできる。
発酵の際に出てきた水分で、ワインを作ることもできる。
ザワークラウトを使った料理をご紹介。
ドイツのゲストハウスのメニューに欠かせない、ソーセージのザワークラウト添え。
最近のドイツ人はあまり食べなくなっているが、ザワークラウトとよく合う伝統料理と言えば、豚のスネ肉の煮込み「アイスバイン(Eisbein)」、か、豚の足のロースト「シュバイネハクセ(Schweinshaxe)」だ。
マッシュポテトが添えられている。
進化系ザワークラウトのグルメ料理。
ニューヨークの定番サンドイッチであるルーベンサンドイッチにも使われている。
ドイツでは、犬もザワークラウトが好き?!
日本でもドイツのザワークラウトが買える。derdiedasおすすめのザワークラウトはこちら。