ドイツのなかでもっとも多く観光客が訪れる都市、ベルリン。以下を押さえれば、その生々しい歴史と他都市にはないカルチャーを存分に体感できるはずだ。
1. 2.7€で市内観光
本物のベルリーナーだけが知っている、2.7€ぽっきりでできる市内遊覧――それは路線バスだ。東西再統一後、東と西をつなぐ初の路線として開通した100系統のバスなら、西のベルリン動物園駅から東のアレクサンダー広場まで、特に多くの名所を巡ることができる。バスの2階席の最前列に座れば、観光バスさながら、流れる街並みを存分に楽しめるだろう。
2. 国会議事堂の丸屋根に上ろう
第二次世界大戦の終わりまで、ドイツ政府の議会が執り行われていた国会議事堂(Reichstag)。1990年の再統一後に、有名な建築家、ノルマン・フォスター(Norman Foster)によってリノベーションされ、モダンなガラス張りのドームが取りつけられた。夜12時まで(!)開放されているドームからは、現在の議会の様子を覗き見ることができる。入場するためにはこちらのURLから事前予約が必要。
3.ブランデンブルグ門の前でセルフィー
ブランデンブルグ門は1791年、アテネのアクロポリスを模して建てられた。その後、この門は東西ドイツを隔てる“国境”の一部となり、冷戦の象徴ともいえる存在に。そして、1990年からは再統一のシンボルとなった重要な場所だ。写真に収めるのを忘れずに!
4.イースト・サイド・ギャラリーを訪れよう
シュプレー川沿いのミューレン通りに位置する「イースト・サイド・ギャラリー(East Side Gallery)」は、いわばオープン・エアの常設ギャラリー。残されているなかで最長のベルリンの壁に描かれたグラフィティの数々に、心揺さぶられることは間違いない。ゆったりと歩きながら堪能しよう。
5.東ドイツの拷問室を見ておこう
「ホーエンシューンハウゼン(Berlin-Hohenschönhausen)」は、東ドイツ当時の留置施設の中央ホールにあたる。1951年から1989年の間、政治犯が拘留され、精神的肉体的拷問が行われていた場所だ。入場料は無料。歴史の重みと、民主政治の意義を体感したい。
6.テンペルホーフ空港を散歩
ベルリンの真ん中の広大なスポットといえば、操業を停止したテンペルホーフ空港だ。かつてのターミナルは世界で最も大きなもののひとつで、現在はその滑走路が一般開放されている。さえぎるもののない場所で散歩をしたり、凧揚げをしたり、自転車を走らせるのは最高に爽快だ。映画『ハンガー・ゲーム』の舞台としても使われた。
7.多国籍な買い物やケバブを楽しもう
コットブッサー・トア駅からのびるコットブッサー・ダム通りには、国際色豊かな店が立ち並ぶ。トルコ系やアラビア系の店舗やレストランが特に多く、この地域に住む約1/3の人々が、外国にルーツを持っているという。ドイツで愛される平たいパンに挟んだドネルケバブは、1970年代のはじめ、この通りにあったトルコレストランが売り始めたのが元祖だと言われている。
ここを訪れたなら、絶品ケバブをぜひとも食べたい。人気は駅のそばにある「タディム(Tadim)」。子牛肉を100%使用しているというクオリティーにうなるはずだ。
8.「コノプケ」のカリーブルストを食べよう
鉄板で焼いたソーセージに、スパイシーなケチャップとカレー粉をまぶしたカリーブルスト。妙にまた食べたくなる、ベルリンのソウルフードだ。とくにおすすめなのは、旧東ベルリン地区のプレンツラウアー・ベルク地区にある「コノプケ(Konnopke)」。ジューシーで食べ応えがあり、いつでも焼きたて。別注文できるフライドポテトやポテトサラダも絶品だ
9. ベルクハインでテクノに酔いしれよう
ベルリン東駅の近くに位置するクラブ「ベルクハイン(Berghain)」。もともとは1950年代に建設された発電所だった建物で、社会主義時代の懐古的なムードにあふれている。客はドアマンによって選別されるため、必ず入場できるわけではないというのもその“神話”を支えている。客の多くは真夜中に訪れ、翌日の昼頃まで滞在することもあるとか。テクノミュージック好きならはずせないスポットだ。
10.トラビでベルリンを駆け抜けよう
「トラビ(Trabi)」とは、東ドイツ時代に生産されていた小型乗用車・トラバントの愛称。強化プラスチック素材でできていて、東ドイツ市民たちは少数生産のこの車を手に入れるために10年も待たなければならなかったという。現在は貴重になったこのトラバントだが、ガイドつきでレンタルすることが可能。東ドイツ時代の可愛い車に乗って駆け抜けるベルリンはまた格別なはずだ。