動物の着ぐるみを愛する人々のコスプレイベントがドイツにあった

ユーロファレンス(Eurofurence)は、ドイツの運営組織「Eurofurence e.V.」によって、毎年開催されるイベントだ。80年代に徐々に始まっていたのだが、1995年に初めて「ファーリー・ファン(Furry Fans)と呼ばれる人達が、オンランで会ったのをきっかけに、参加者たちがどんどん増えていった。前回のベルリンのノイケルン区(Berlin-Neukölln)で開催されたコンベンションは、2000人を超える参加者が集まった。このイベントは大抵、ドイツのユースホステルで開催される。

ユーロファレンスは、人がコスプレと聞いてイメージする、アニメや漫画のキャラクターのコスプレイベントとは違う。ここに集まるのは、動物の着ぐるみが大好きな人たちなのだ。着ぐるみによって演じる役に浸りきり、ファンタジーの世界で現実世界とは全く違う役になりきることが、ファーリー・ファンたちの楽しみだ。ファーリー・ファンは、ライオンキングなどの映画や漫画だけでなく、文学作品の中にもキャラクターを見出す。

他のコンベンションと同じように、このイベントも何日にも渡って行われる。様々なワークショップが開催され、スピーチやパレード(2014年のベルリンからパレードがなくなった)、ダンスイベントも用意されている。このイベントのハイライトは、パネルディスカッションと、世界中の様々な分野からの「来賓」による講演だ。来賓はSFの作家だったり、漫画家だったり、「ファーリー・メイカー」と呼ばれる有名なコスチュームのデザイナーだったりする。

キレキレのダンスショー

カリスマ着ぐるみ

Eurofurence Group
出典: flickr/Selth Blackwings CC BY-NC-ND 2.0

長い間、このイベントはドイツ以外のメディアから「セックス・パーティ」だと誤解されていた。確かに、簡単にアメリカのグーグルで「Furry-Convention」と検索すると、普通のパーティではないように扱われているのがわかる。ヨーロッパでは、例えば、日本のコスプレイベントと同じように扱われたり、動物の格好をする事で現実逃避をする特別な「フェチ」の人々の集まりだと思われたりしていた。

しかし、イギリスのインディペンデン紙のアンケートでは、セックスや「フェチ」がファーリーである事と関係していると回答したファーリー・ファンは、たったの37パーセントだった。そもそもこのイベントの参加者は圧倒的に男性が多く、着ぐるみの中に女性が入っている割合は10に1人だ。

運命の人を見つけてプロポーズ?!

Eurofurence Paar
出典: flickr/Selth Blackwings CC BY-NC-ND 2.0

エンターテインメント性と癒しパワーが高いイベントだとドイツのメディアでは好意的に取り上げられている着ぐるみパーティ、ユーロファレンス。一風変わったコスプレイベントに参加してみては?

次回のユーロファレンスは、2016年の8月17日〜8月21日まで。ベルリンで開催される。

会いに来てね!

Eurofurence Final Cut
出典: flickr/Tambako The Jaguar CC BY-ND 2.0