テニス世界ランキング1位常連のスイス人、フェデラー。コート外での彼の活躍はあまり知られていない。「子だくさん」と呼ばれるその訳とは。

ロジャー・フェデラーは1981年8月生まれの34歳。南アフリカ人の母とスイス人の父の間に生まれる。

母リネット

父ロバート

2000年のシドニーオリンピックの選手村で、フェデラーは運命の女性と出会う。同じくテニスのスイス代表選手だった「ミルカ」ことミロスラヴァ・ヴァヴリネックだ。スロバキアにルーツを持ち2歳で両親と共にスイスに移住してきたミルカはフェデラーの3歳年上。もう一人の女性スポーツ選手と共に、ルームメイトとして同じ部屋に住んでいた。

2002年に怪我で現役を退いた彼女は、フェデラーのマネージャーとなり選手生活を支えることとなる。

フェデラーが一眼惚れしたテニスプレーヤー「ミルカ」は、マネージャーとして妻として、彼を支える良きパートナーとなっていく

彼らが結婚したのは、交際開始から9年後の2009年。ミルカのお腹には双子の女の子がいた。

Roger Mirka Twins Facebook
結婚3ヶ月後に生まれた娘たちと; 出典: Facebook

5年後の娘たちの姿がこちら。

母ミルカと祖母リネットと共に

驚くべきは、娘たち誕生の5年後の2014年、フェデラー夫妻にまたしても双子が生まれた事だ。姉たちミラとシャーリーンが一卵性だったのに対し、弟たちレオとレニーは二卵生だった。フェデラー自身、双子が続いた事に驚いている。さすがは世界ランキング1位在位記録「302週」他、数々の記録を持つ男、コート外でも稀有な業を成し遂げる。

息子たち1歳頃の写真がこちら。


あまりのそっくりぶりに本当に二卵生かどうかDNA検査で確かめたほど!

こうして彼は4人の子供の父となった。

コートの上から子供たちに手を振るフェデラー

常に子供たちに優しい眼差しを向けるフェデラーだが、彼が惜しみなく送るのは視線だけではない。賞金と広告を合わせて約3億ドル(日本円で約360億円)を稼いだと言われる彼は、その資金を活かし恵まれない子供たちの支援とスポーツ促進を目的とした「ロジャー・フェデラー基金」を創立する。

フェデラーの両親は母の故郷南アフリカで知り合った。南アフリカとスイス、二つの国籍を持つ彼は、第二の祖国アフリカとの間に強い絆を感じており、「ロジャー・フェデラー基金」もアフリカの支援に力を入れている。2018年までに100万人の子供たちに教育を届けることを目指し、現在7カ国で学校創設の支援活動を展開している。

こうして彼は貧困に苦しむ子供たちの「父」となった。

フェデラーは、忙しい時間を割いて、愛する「彼の」子供たちに会いに行く。基金の支援で開設したマラウイの学校を訪問した際の映像がある。

子供たちを抱きしめ、共に食事をし、会話をする。このことが彼らにどれほどの希望を与えるだろう。

「子供たちは明日の未来」と語るフェデラーだが、当然のことながら、彼も昔は子供だった。将来2組の双子の父となり、さらに100万人の子供たちを育もうとする「父」になるとは、当時誰が想像しただろう。

Diana + Roger Federer
歳年上の姉ダイアナと

「彼の」子供たちの中から「父」のような人物が育って行くことを期待したい。